本番に弱い子を緊張に強い子にしてあげる為にやってあげるべきこと18・・・その2

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前回の続きでございます。

前回の記事

(→本番に本番に弱い子を緊張に強い子にしてあげる為にやってあげるべきこと18・・・その1)

 

本番に弱い子を緊張に強い子にしてあげる為にやってあげるべきこと18・・・その2

 

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発達障害グレーゾーンの子の強い緊張を和らげる18のこと

1.無理させない

子どもたちはそれぞれ、得意なことや苦手なことを持っています。その生まれながらに持っている苦手は、よほどの努力をしても、生涯大きく変わり一転して得意になることはありません。

何をしなくても走るのが速い子もいれば、何をしてもクラスで一番速く走れるようになれない子がいるのと同じです。

誰も走るのが苦手な子に、クラスで一番を強いて努力させる人はいません。

得意な子と苦手な子を同じ土俵にあげ、その能力の差を頑張りの軸として評価する事は決してできないのです。

“緊張が強い子”に、いきなり主役級の穴があってはいけない出番を用意してはいけません。

“緊張が強い”という特性をよくよく理解し、決して諦める訳ではない無理のない出番を準備するべきなのです。

私たちができるのは、“ありのままのあなたでいい”としたうえでの、成長できる為の環境の整備なんです。

“緊張が強い”という個性を認めたうえで、どうすれば自信をつけていくことができるのか、安心して挑戦できる環境はどのようなものなのかを、私たちが考え整えていくのです。

その為に、学校の先生や幼稚園の先生、周囲の関わりのある人たちに協力を仰ぐのが、私たちの役目。

“緊張が強い子”にしてあげられる、私たちの支援です。

決して無理をさせ、場数を踏んで、慣れさせるという方法では、ますます緊張が強くなり、生涯その特性にしばられ、解放されなくなってしまうかもしれません。

2.少しずつできることで自信をつけていく

自信は確実なものにしていく必要があります。

ぐらぐらと不安定に積み上げるのでは、いつか大きく崩れてしまう可能性があります。

ゆっくりと丁寧に、小さいけれども密に積み重ねていく事で、盤石な自信という土台ができあがります。

小さなものから、積み重ねている事を意識して、私たちは接していく必要があります。

できるようになったことは、一つずつ丁寧に振り返ってあげてください。

言葉で伝える事が、一番記憶に残り、子どもの心に形として残ります。

私は、hidakaが新しくできるようになったことには、必ず意識して声を掛けます。

「えらいね。」や「すごいね。」という漠然としたものではなく、

「○○できるようになったね。うんうん。○○をがんばったね。」

というように、“できるようになった”“何をがんばった”という言葉を使います。

そうすることで、hidakaの中に「○○はできる」「ぼくは努力できる」という確実な自信として形が表れ、積み上げていく事ができるのです。

3.小さなステップで

大きな自信を積み上げていく事ができれば、あっという間に「ぼくはできる!」という“緊張に打ち勝つ”自信を付けていく事ができます。

何とも効率がいい。大きな自信には大きな挑戦が一番です。

ですが・・・・そこは発達に凸凹のある子。

効率よくいかない事もあります。

多くの人が評価してくれるような成果が見られないときもあります。

“大きな成果”を期待するのでは、“緊張に打ち勝つ”ために必要な自信を十分に積み上げていく事ができないということ、あります。

積み上げる自信は小さなものでも、数を積めば大きな自信に繋がっていきます。

期待するべきなのは、日々向き合い、心を込めて育てている私たちだからこそ気づける“小さな成果”です。

目標を設定し、その達成に気が付き、承認を与える事ができるのは、いつだって一番傍にいて、我が子の成長を願っている私たちなのです。

達成感を感じる課題で、小さなものを順に設定してあげてください。

そして、“できるようになったね”と丁寧に積み上げ、次の目標を設定していくのです。

いつしか“大きな目標”と思っていたものが、“小さな目標”の達成により叶っているということに、驚く日が来るかもしれません。

4.子ども主体の時間を作る

自分が主体であるということを知っている子は、自分で自分の人生を創りだし、歩んでいく事ができます。

“緊張に強くなる”というのに必要なのは、自分をコントロールする力なのです。

どんなに私たちが“緊張に強くなって欲しい”と願っても、最終的には“自分がどうしたいか”なのです。

自分が主導権を握り、緊張を身体をコントロールしていく必要があるのです。

特に“緊張に弱い子”には、この“自分が主体である時間”がとても大切なのです。

そういう意味では、器用な子と違って、自分が主体であるという時間を、自分で日常から作り出すことに不器用さがあるという一面に気が付いて下さい。

一見マイペースに見えることもあるでしょう。

でも、集団に入った時の姿はどうでしょうか?

“緊張に弱い子”の多くは、保育園生活・幼稚園生活・学校生活という社会の中、兄弟間という家庭の中でも、気が優しく、上手に自分の意見を主張することができず、人間関係を良好に築いていくうえで、自分の考えを抑え、合わせ流されてしまうという一面がある子が多い気がします。

自分の意見がないわけではないのです。

自分の“こうやりたい”がない訳ではありません。

ただ上手に主張ができないのです。

発達障害グレーゾーンの子の受け身態勢が強い子は、対人面での苦手によって、上手くコミュニケーションをとって自分の思いを伝える事に困難を抱える子が多いです。

でも、社会に適応したい。

そうある事を望まれている。

その結果、主体であると感じる時間を抑制し、社会に適応するという姿を見せいていることがあります。

それでは、圧倒的に“主体性を感じる時間”が不足してしまうのです。

では、どうすればよいのでしょうか?

社会は変わりません。

幼い子どもたちに、我が子と接するときは自分を抑え、時間を掛け我が子の思いを意見を引き出し、聞き入れて欲しいとはお願いできません。

子どもたちはそれぞれ“自分が主体”であっていいのです。

変われるのは私たち大人だけです。

“緊張が強い子”に、自分が主体であることを感じさせてあげられることができるのは、私たちだけなのです。

忙しい毎日で、いつもいつも主体にしてあげることは難しいでしょう。

なので、決めるのです。

時間を。

1日30分と決めたならば、その時間は、我が子に手を掛け、目を掛け、やって欲しい事をやって欲しいだけしてあげましょう。

何かを買い与えるわけではありません。

私たちの時間を使い、手を焼き、“あなたの人生はあなたが主役”なんだと強く感じさせてあげるのです。

5.得意を伸ばし活躍させる

発達に凸凹がある子というのは、必ず凸の部分があります。

それは、才能や天才と呼べるレベルのものだけが、凸の発達ではありません。

年相応以上に発達している部分、その子の長所と呼べる部分です。

凹の発達が障害まで至っていない場合、私は苦手を抱える子の自信の為に、凸の発達に注目し、生涯制限なく、伸ばしていく事をおすすめしております。

その生まれ持った得意というのは、自信を大きく積み上げるチャンスなのです。

過度に期待しすぎる必要はありませんが、活躍できる機会というのをいつも伺っているべきと感じています。

絵のコンクールに参加する。ピアノの発表会に参加する。学校や幼稚園の先生に自信をつけさせたいと相談しておく。そのような機会を周囲の大人にも作って欲しいのです。そろばんの大会に出る。算数検定・漢字検定というような目に見えて結果が賞状や級で評価されるものもいいです。

無理のないように、凸が活躍できる場をいつもいつも探していくべきなのです。

その子の持つ得意に注目される事は、子ども達にとって、とても嬉しい経験になります。

周囲が認めてくれるという社会的な承認は、何物にも叶わない大きな自信に繋がっていきます。

6.存在自体を認める

発達に凸凹のある子、発達障害グレーゾーンの子を育てるうえで、気を付けなくてはいけない事があります。

それは、その子の持つ苦手を社会適応させたいと一心に願うあまり、社会的に正しかった時だけにその行動を認め、褒めてしまいがちになってしまうということです。

以前、“都合のいい子”という言葉を使い、そのことを記事にしております。

(→あなたにとって“都合のいい子”にしようとしていませんか?育てにくい子が将来有望!?自分の意思を持ち自分の道を切り開いていける子にする10の方法)

大切なのは、“存在自体を無条件に認めているか”ということなのです。

育てている私たちは、そんなことは当たり前だと思うかもしれません。

ですが、発達に凸凹のある子、発達障害グレーゾーンの子の子育てでは、本当に伝わりにくいのです。

社会に適応させようと思えば思うほど、気持ちを掛けて関われば関わるほど難しくなります。

なので、意識して伝えなくてはなりません。

子どもが小さいうちは言葉で伝えてあげてください。

「かわいい。」「大好き。」「大切なんだ。」「あなたは私たちの宝物なんだよ。」

頭をなでてあげてください。ほっぺを優しく包んであげてください。にっこり笑って目線を合わせて接してあげてください。

年齢が上がってきたら、言葉で伝えることは照れくさく、難しくなってきます。

でも、伝えるのは言葉だけではありません。

そっと背中に触れてあげてください。

肩を頭をぽんぽんと気持ちを込めて伝えてください。

“何ができなくても”“ダメなところがあっても”“がんばれなかったとしても”私たちはあなたの味方なのです。

7.その時を待つ

我が子が“緊張に弱い”ということがわかったとき、私たち親は、子を思うあまり、あまりにも速く克服させようと焦る気持ちになります。

それだけ、子ども達が迎える社会では、たびたび“緊張”と向き合わなければならない行事が多いからです。

でも、その焦りが、しなくてもよかった“緊張による失敗”を経験させることになり、我が子を“緊張感への不安のスパイラル”に突入させることになったりします。

克服させるために、大きな労力を使う事になってしまうのです。

もっと慎重に、子どもの10年後を見越し、今を過ごすべきなのです。

「こうなって欲しい」は必要ありません。

育てるべきなのは、「どうなりたいか」です。

それを応援するのです。

「こうなりたい」という気持ちが育つまで、時期が来るまで心を育て、待つのです。

8.親が他の子と比べない

“比べられる事”というのは、もっと頑張ろうの原動力になることもあります。

ですが、それは相互的に対等レベルのライバル関係になったときのことです。

自分が憧れから、自己と他を比べ、自分を高めていくという関係性もありますが、自分以外の他の人、特に親に周囲の子と比べらるときには、心に大きな傷ができるということは、皆さんもご存知かと思います。

以前、私たちが陥る“比べる病”に関して記事にしたことがあります。

(→“比べる病”はどうすればいいの?発達障害の特性を持つ我が子と健常の子を比べてしまう時に気がつくべきこと4つ)

“緊張が強い子”を育てるうえで、私たちはどうしたって“緊張と上手く付き合ってる子”がまぶしく見え、どういう育て方をしているのだろうかと参考にしたい気持ちになります。

もしくは、我が子にそのような“緊張と上手く付き合ってる子”に気づかせ、そこから自ら学んでいって欲しいという気持ちになることもあるかもしれません。

ですが、それはとても難しい事なのです。

“得意なもの”を育てる方法と、“苦手なもの”を育てる方法は一緒ではありません。

ましては、“得意な子”と“苦手な子”を同じ土俵で比べる事なんてできないのです。

9.強力な味方をつける

親の力だけでは“緊張が強い子”の“緊張”に勝つ事はできません。

発達に凸凹のある子、発達障害グレーゾーンの子は、私たちだけでは、私たちの力だけでは、どんなにあがいても育てあげることは難しいのです。

hidakaに発達障害の疑いがあるということがわかったときに、私は“人に迷惑を掛ける子にしてはいけない”と、一人でhidakaの苦手のすべてを背負いこみ、“どうしたら人に迷惑を掛けない子にできるか”ということを、悶々と考え悩んだ日々がありました。

ですが、そんなことは無理なのです。

家から一歩も外に出ず、閉じ込めておくことはできないのです。

当時、私のその思いを、療育先で臨床心理の先生に相談しました。

大真面目です。

「どうしたら人に迷惑を掛けない子にできるでしょうか?」

すると、臨床心理の先生は静かに応えてくれました。

「いっぱい手を掛けてもらえばいいんです。みんなで育てていくでいいと思いますよ。」

ハッとしました。

“迷惑を掛けない子”にしたいと願っていたのは自分だったのです。

でも、これは私が“自分の都合”で願っている事。

hidakaが望んでいる事ではないと気づかされたのです。

“緊張が強い子”も一緒です。

“緊張が強い子”は、特別な支援を必要としています。

それは、大げさなものではないかもしれません。些細なことで、“緊張との関わり方”が変わっていくかもしれません。

少し待ってもらうだけで、少し手を掛けてもらうだけで変わるかもしれないのです。

多くの“緊張”と向き合う事になる、保育園・幼稚園・小学校。

先生に協力を仰ぎましょう。

協力してもらうのです。

我が子の困難が見えたときには、迷いなく動いていいのです。

過剰になり過ぎないように見極め、どうしていったらよいのかというのを一番傍で我が子の将来を見据えてプランニングしていくのは、児童精神科の先生でも療育の先生でも学校の先生でもありません。

子どもの将来を見据えて、環境を整えていくのは私たちなのです。

10.一進一退を恐れない

今はhidakaは、一見“強い緊張”に折り合いをつけ、上手く緊張と付き合えるようになっていると感じる結果がでております。

ですが、今後はわかりません。

よく女の子のお母さんから耳にします。

「○○、小さい頃は大丈夫だったんだけど、最近、すごく緊張するのよね~。」

成長と共に、「もしも失敗したら・・・」という事に思いが及ぶようになっていくというのが、性格にもよりますが、子どもの成長なのかもしれません。

きっと今のhidakaは、「失敗したら・・・・」ということに、思いが及んでいないという部分もあると思うのです。

時に、hidakaの凹の発達が原因で、年相応とは遅れて、認知が広がっていく事があります。

なので、そんな時期を迎えたときにも、焦って目先のことだけに囚われてはいけません。

もっと長い視野が必要なのです。

そして、一時退化したように見えたとしても、知っておくべきなのです。

確実に前に進んでいることを。

“成長の一環だ”ということを知っていれば、一進一退を怖れることはないのです。

 

 

長くなりました!

“緊張に打ち勝つ強い心を育てる”

次回、本番に弱い子を緊張に強い子にしてあげる為にやってあげるべきこと18・・・その3

後半の8つの方法をご提案します!

ひとつでも参考になることがあれば幸いです。

 

お読みいただきましたありがとうございました。

 

 

 

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