読書感想文の練習が未来に生きる!?発達障害グレーゾーンの子の“自分の思いを伝える”ための優しい訓練

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ご訪問いただきありがとうございます。

 

hidakaは、本を読むのが大好きです。

朝支度のほんの少しの合間、学校から帰ってきてすぐ、寝る前のひととき、休日の大部分の時間、お気に入りの本を何度も何度も開き、毎回新鮮な気持ちでその世界に入っていき、「ぷぷぷ」と笑ったり、真剣な表情で見入っております。

・・・・・

でも、理想的な読書好きという“あらゆるジャンルの本を楽しむ”という姿とは程遠く、その興味関心というのは、少し?いえいえ、大分偏っていて、例えば「ドラえもんの学習シリーズのまんが」が大好きで、こちらが呆れかえるほど、毎日手に取り、品を変え、またまた戻ってというのを繰り返し、何度も何度も読みふけております。。。

興味がある計算や図形、文字や漢字というのを、ドラえもんの世界で学習していくという形が、何とも好きに好きが重なり、相乗効果で興味が強まっているようなのです。

家庭でリラックスさせたいと思っている私は、そんなhidakaの本選びは、好きにさせることに決めておりました。

自分が思っている展開、そして本の世界で起こっている事を上から覗いているという立ち位置が、予測のできないことでいっぱいの現実を、緊張しながら過ごしているhidakaにとって、とても安心するものであることがわかるからです。

ですが・・・・1年生になったhidaka。

学校生活も落ち着き、表情が明るいです。

そろそろこちらから働き掛けて、延々と繰り返しているhidakaの小さな世界を、少し広げていってもいい頃のように感じました。

文字を読み、映像化する力がつき、漫画の世界ではなくても、挿絵が多ければその世界に入り込み楽しむことができるようになったhidaka。

そろそろ何かテーマのある絵本を読み、そこから感じ、世界を広げ、学べる事もあるかもしれません。

昨今の教育では、自分の思いや感想を言葉にし、プレゼンテーションしたり、小論文のように論文を作成したりするスキルを強く求められる傾向に変わってきております。

hidakaの未来の社会では、私たちが教育を受けていた頃に予想されていた未来とは変わり、社会へ出る為の準備期間としての入試や学業の評価に、この“自分の思いを伝えられる”というスキルが、大きく影響するようなのです。

自分の思いを磨き伝え、人々に影響を与えていくような人材が輝いていくのかもしれません。

社会生活で自分の価値を高める為には、AIという人工知能にはできない、人間ならではの“思いを伝える”ということが、とても重要になっていくことになるでしょう。

“自分の思いを言葉にする”という事が、とても苦手なhidaka。

どのようにそのスキルを身につけていけばよいのでしょうか?

今からできることがあるのです。

 

読書感想文の練習が未来に生きる!?発達障害グレーゾーンの子の“自分の思いを伝える”ための優しい訓練

 

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発達障害グレーゾーンの子は読書感想文が苦手!?

発達障害グレーゾーンの子は、それぞれが持つ発達の凸凹が原因で、読書感想文を苦手に思っている子が多いようです。

文章を読んだり、書いたりすることが苦手という、学習障害であるディスレクシアの傾向を持つ子もいるでしょう。

集中力が続かないということが原因の場合もあるかもしれません。

そして、文章を読んだり書いたり、集中力に問題がなかったとしても、「何を書いたらいいのかわからない。」「何を求められているのかがわからない。」「そもそも感想って何だ?」というように、自分の内なる思いを感じ把握し、言葉にしていくという過程自体に困難を抱えている子もいます。

“思いを文章にすることができない”という文章表現能力に苦手を抱えている子を、年相応に表現できるように育てたいと考えたとき、それはやはり何の働きかけもなしに、自然に身につけさせることはできないのです。

発達障害グレーゾーンの子の凹の発達というのは、育たない訳ではありませんが、その育て方には工夫や機会というものをたくさん与える必要があります。

“自分の思いを文章に出来ない子”は何を感じている?

本を読んだ結果「どう思う?」と聞いたときに、「ん・・・・?」という反応の子は、自分の思いというのを正確に言葉にすることを要求されていると感じております。

ですが、実際私たちも感じている通り、“思い”というのは形がなく、ハッキリと一点の相違もなく言葉に代えられるものではないのです。

そう。“自分の思いを文章に出来ない子”というのは、自分の思いが漠然としていて、形を掴む事ができず、その内なるもくもくとしたものを、言葉にすることができないのです。

特に発達障害の特性のなかでも、自閉傾向・アスペルガーの特性を持つ子というのは、自己表現が苦手と感じる子どもが多いです。

それは、“自分の考え”が少数派になる経験が多く、その事で“おかしい”とされたり、笑われたり、大好きな人に否定されたりした嫌な記憶があるからかもしれません。

そのような経験を重ねる事により、自分の考えというのを言語表現することに、とても慎重になり、一たび自分の考えというものが、少数派であるという事に気付き始めると、思考が停止状態に陥り、結果的に自分の意見を把握する事も言うこともできなくなり、黙り固まるという姿になってしまうのです。

なぜそんなに、“自分の考えを持つ事”や“自分の考えを伝える事”に恐れを感じ、思考が停止状態に陥っているのでしょうか?

大多数の人達が違う意見だったとしても、幼い頃は気にせず口にするというのが、子どもらしい姿のような気がするのですが…

それは、自閉傾向・アスペルガーの特性を持つ子というのは、意見がぶつかることや、ダメだしされること、議論自体が苦手だからなのです。

相手の意見に納得した部分があるのであれば、聞き入れ、自分の考えというものを臨機応変に変えていく事が難しいからです。

一方で、多くの定型の発達の子というのは、“自分の考えを持つ事”や“自分の考えを伝える事”に恐れはありません。

幼少の頃、自我が発達した頃からずっと、“自分の考えを持ち”、“自分の考えを伝えてきている”のです。

そうして、小さな頃から身近にいる周囲の意見を取り入れ、“自分の考え”というものを修正したり、整えたりしながら、自己を確立させていくことが何とも自然にできているのです。

なので、大人になった頃には、奇抜な意見というのは影を潜め、大人な発言ができるようになっていきます。

“自分の思いを言葉に出来ない子”というのは、そんな多くの定型の発達の子が無理なくしている“自分の考えを修正していく”ということに、困難を抱えています。

“自分の考え”というものに、手を加えづらい特性で過ごしてきた時間が、“自分の思い”というものを把握し、表現するという能力が乏しくなっている原因のひとつです。

発達障害グレーゾーンの子“自分の思いを伝える”ためにできる優しい9つの訓練

1.お手本はみせない

発達障害グレーゾーンの子に、賞をとるような完璧な読書感想文のお手本を読ませる事はおすすめできません。

一気に「・・・・こんな風にはできない。。。」という意識が強まり、思考が停止し、考える事ができなくなるのです。

日々の日常の中で、持っている発達の凹の部分で、私たちが感じているよりもずっと、周囲より“できない”という状況にさらされることが多いグレーゾーンの子。

苦手な事に関する苦手意識というのは、根深く、“自分はできる”という自己肯定感が不足し、“やってみる”という入口に立てなくなってしまうのです。

我が子の実力を感じ、どこに近づけていくのかを考え、目標設定するのは、私たちなのです。

その目標を高く設定しすぎるのは・・・やっぱりおすすめできません。

読書感想文が苦手な子を優しく訓練するには、まずは決められた分だけ、きちんと構成された文章を、思いを“書けるようになること”を目標にしてください。

2.比べるのは以前の自分

1のお手本をみせないと繋がっているのですが、周囲の子の文章能力と比べることも、おすすめできません。

「お友達はこういう風に書いているよ。」と、参考に見せてもらうのも、控えた方がいいと思います。

そしてやってしまいがちなのですが、教える側の私たちの表現と比べる事も、気をつけなくてはなりません。

「○○な感じがいいんじゃないの?」「ここはこういう風に書いた方がいいよ!」

と、何だか年相応な表現を出してきて、アドバイスしてしまいそうですが、見えない年相応さと比べられた瞬間に、自分で表現することをしなくなります。

発達障害グレーゾーンの子は、“自分の成長を感じる”ということに鈍感だったりするということを聞いたことがあります。

定型の発達の子ども達の中で生活する事が多い為に、“できるようになった”=“周囲に追いついた”という意識から、マイナス→0(ゼロ)になったという風に、感じとっている部分があるからです。

発達障害グレーゾーンの子を育てる私たちは、年相応と比べることなく、“以前の我が子”と比べられるように、「前はこういう風に表現していたのに、こういう風に変わってきたね。お兄さんな表現だね。」というように、確かな手ごたえを感じられるように、自分の成長に自信を感じられるように、苦手だけれども少しずつ階段を登っていく事を励ましていく必要があります。

3.しなくていい苦労はしない

一部の発達障害グレーゾーンの子で、理系脳な子どももいます。

結果を先に書き、その考えを証明していくという形が得意な子たちです。

ですが、読書感想文というのは、どちらかというと、文系脳の子どもが書いた文章の方が評価されやすい傾向にあるようです。

つまり、起承転結がしっかりとされている文章です。

それは、読書感想文を評価している人は、学校の先生を筆頭に、みんな文系の人達が多いからです。

そんな理系脳な子に、文系脳の方々を唸らせるような文章を書かせる事は・・・・たまには違った視点も新鮮にうつるかもしれませんが、大人の文章のように完成されたものでなければ、やっぱり評価へのハードルを高くするだけのような感じもします。

持っていないものを造り出すというのは、血もにじむような努力が必要です。

ですが、理系脳な子しか書けないテーマがあります。

得意なテーマをみつけ、起承転結の文章になるように、こちらで頭語を提示してあげて、テンプレートのように使っても、文章が書きやすくなるかもしれません。

理系脳な子には、理系脳な子向けのアプローチがあるのです。

4.心が動くテーマをみつける

発達障害グレーゾーンの子の多くは、興味や関心が偏っている?と感じざる負えない、並々ならぬ興味への集中力とこだわりを持っていたりします。

興味や関心がないテーマでは、心が動かされず、「どう思った?」と本の感想を聞いても、「別に。。。」や、「楽しかった・・・かな?」「悲しかった。」というように、型にはめたような味気ない感想を言ったりすることがあります。

人の興味や関心というのは、人それぞれで、誰かに操作されるべきものではありません。

興味や関心が広がるように、新しい気づきがあるように、引き出すようなアプローチをしていくことはやっていきたいと感じますが、結局興味を持つか否かは、その子しだいです。

それよりも、様々なテーマに触れさせる事により、心が動くテーマというのを見つけてみるというのがおすすめです。

もしかすると、本当に心が動いた時には、私たちが思いもよらなかった感想や意見というのがポンポンとでてくるかもしれません。

5.“期待”ではなく“喜び”を見出す

親が子どもに何かを教える時、どうしてあんなにもふつふつと胸の奥から湧きあがってくるイライラと闘わなくてはいけないのでしょうか?

それは、多少なりとも自分が教えることによって“できるようになってほしい”“わかるようになって欲しい”という“期待”で溢れているからなのです。

“期待”というのは、原動力になる事もありますが、苦手を抱える発達障害グレーゾーンの子の場合には、プレッシャーになり、負担になる事があります。

その見えないストレスにより、思考が停止したり、上手くやらなくてはという気持ちが過剰に働いてしまい、結果“できない”“わからない”を生んでいる事があるのです。

そして、その我が子の“できない”“わからない”という“期待どおりにならない”という状況が、私たち親の心を蝕むのです。

これでは、上手くいくものも上手くいきません。

お互いにその関わりの時間は辛いものになっていきます。

まずは、私たちの意識を変えなければなりません。

“期待”を捨て、“喜び”を見出すのです。

“関われていることが喜び”と、強く強く騙されたと思って、理性に定義するのです。

6.形にしやすい質問をする

代表的な質問を挙げます。

▽好きな登場人物・好きな理由

▽嫌いな登場人物・嫌いな理由

▽好きな場面・好きな理由

▽好きな言葉やセリフ

▽知って感心した事

▽本を読んで発見した事・それを知ってどう思ったか?

自分の思いを、言葉に文章に出来るようになって欲しいのです。

それには、ぼくの好き・ぼくの嫌いがとても重要です。

自分を語るのです。何が好きで何が嫌いか。こういうのは好きで、こういうのは嫌い。

一番語りやすいです。

それはなんでなんだろう?と思いを巡らせる事も大切です。

少しずつでもいいので、自分の言葉で、自分の思いを探り、言葉にしていくということを練習していくのです。

健全な人間は、誰でも知識欲があります。

もともと持っている個性に、情報や知識を身につけ、自分を造り出しているのです。

新しい発見を人に語り、共感してもらう事というのは、本来はとても気持ちがいい事なんです。

その人間ならではの特性を、丁寧に育て、表現の練習をしていくのです。

7.次に繋がる要素に気づかせる

上に挙げた質問に答えられるようになっても、まだまだ「これは好き~これは嫌い。」「こんなこと知らなかった。」「このシーンが面白かった。」というように、感想というもので終わってしまっている子ども達が多いです。

ですが、それだけでは、読書感想文の評価をしているかたの期待に応えられていません。

なぜ読書が良いとされているのでしょうか?

それは、本から学び、実生活に繋げていく知恵があるからなのです。

その知恵を、丁寧に気付かせ、身になるように働きかけてあげられると、自分の思いを磨いていくことができ、人間性を高めていく事ができます。

お勧めのポイントなどを語らせる練習もいいです。

自分の思いを磨き、伝えられるということが、今回の目的なのですから。

8.反論が面白いことを教える

いつもいつも優等生的な“正解”がいいわけではありません。

時には、本の内容に関して、こう書いてあるけれど、ぼくはこう思うというような、反論の楽しさも教えてあげたいところです。

特に、発達障害グレーゾーンの子というのは、その発達の凸凹や個性的な感性により、多くの人達と違った感じ方・意見を持っていたりすることもあります。

その事を否定するのではなく、面白いと評価してあげてもいいと思うのです。

倫理的に間違っている事以外であれば、大いに面白い発想は伸ばしていってあげたいです。

それが、発達に凸凹がある子を輝かせる方法にもなります。

天性のひらめきや豊かな五感力というのは、評価されるべきなのです。

(→ST(スペシャルタレント)という気質を持った子はどんな子なんですか?ST(スペシャルタレント)気質を持つ子の育て方 注目すべき事6つ

9.たくさんのテーマに触れさせる

どの絵本も、普遍的なテーマを持って書かれているものが多いです。

家族・友達・命・健康・お年寄り・障害・科学技術・自然破壊・絆・向上心・続けることの大切さ・優しさ・思いやり・いじめ・心の弱さ

というものです。

他にもテーマはあると思います。

大切なのは、様々なテーマに触れさせることです。

一緒に丁寧に思考を巡らせていきます。

巡らせていく思いを言葉に変え、思考をつくり出していくのです。

感じた事・分かった事・知った事・他の人の考え。自分の考え。

そうして、思考の旅をいっぱいしていく事が、大切です。

思考できるテーマを増やし、今から少しずつ思考を形成していくのです。

形成された思考は、言葉に文章にしやすくなります。

それが、“自分の思いを言葉にしていく”一番の近道です。

 

まとめ

発達障害グレーゾーンの子の凹の発達。

そのままにしておくと、気が付いたときには、自然と日常生活から学び修正し、自分のものにしていく能力が高い定型の発達の子ども達から、大きな差が開き、その苦手で大きな困難を感じる日が近づいてきてしまうかもしれません。

でも、少しの関わりを長い期間続ければ、凹の発達であっても、成長しない訳ではないのです。

hidakaは、自分の思いを言葉にすることが苦手です。

そんなhidakaに、私は図書館から1年生におすすめなテーマが扱われている絵本を数冊借りてきました。

毎晩、お風呂上がり、寝る準備をすべて終わらせ、いつもの一人読書を楽しもうとしているhidakaに声を掛けます。

私「ママに絵本読んでくれない?」

hidaka「!いいよ~♪」

そして、ソファにふたり肩を並べ、hidakaが読んでくれます。

読み終わると、私はクイズと称して、いくつか絵本のあらすじを質問していきます。

クイズが大好きなhidakaは、喜んで答えてくれます。

そうしながら、内容を把握できているかチェックしてみると、何とも私が思っていたよりもずっと、鮮明に物語をイメージできているようです。

そして、最後に先程例に挙げたような質問をして、自分を語ってもらいます。

最初は漠然としていたhidakaの思いも、少しずつですが、言葉にしていくことができるようになってきました。

同学年の子たちと比べてしまうと、彼の持つ凹の部分ですので、言葉は短く、自分語りとは程遠いですが、少しずつそのような関わりのなかで、影響を受けることもあると思います。

何よりも、そのふたりの時間が、私は楽しみに感じております。

hidakaの苦手を克服させよう、教え込もうと躍起になった時期もありましたが、hidakaの凹と関わるこの5年間で、私も肩の力が抜け、過度な期待をせずに、“関われる事が喜び”という子育ての理想の形に近づきつつある時間もあるのでした。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

hidakaの凹の発達。

関わり始めてから5年が経ちました。

私のhidakaを育てる力の根底には、親子で一緒という体験が不可欠でした。

(→発達に心配のある子にいったい家庭では何をしてあげればいいの?「親子で一緒」が大切なんです!幼児ポピーを利用したレビュー

 

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