幼児期にみられる吃音・どもりは発達障害に!?「落ち着いてゆっくりしゃべりなさい」と注意する前に気をつけてあげる事9つ

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先日、私が中学生の時から仲良くしていたお友達が5歳になる子どもAくんとお家に遊びにきてくれました。

私「こんにちはー」

Aくん「こ・こ・こんにちはー あ・あ・あのねあのね きょうね ~~なんだー!!!」

元気いっぱいのAくん。私に久しぶりに会えたのが嬉しく興奮したのかな?とは思いましたが特に気にすることもなく「うんうん。そうなんだね。」と話していました。

Aくんがhidakaのところに走って行くと、Aくんのママが私に言いました。

「Aなんだかちょっと前から“どもり”が気になってね。今ことばの教室に通おうか迷っているんだ。」と。

利発で頭の回転が速く、少し繊細な面もあり大変な時期もあったと聞いていました。でも幼稚園生活ではその認識の広さでリーダーショップをとれるくらい成長していたAくん。その姿に安心していた私のお友達。

ここへきてまたひと山きたようです。

 

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吃音症

吃音症(きつおんしょう )とは、言葉が円滑に話せない疾病、または障害です。以前は「どもり」と言われることが多かったのですが、差別的な用語とみなされ公の場では使われなくなってきています。吃音の悩みや症状を改善する方法はいくつか提案されているのですが、吃音症の原因を特定することは難しく、決定的な治療法はありません。脳の発達の障害として2005年より吃音が発達障害者支援法に含まれるようになりました。

 

吃音(どもり)の種類

1.連声型:発語時にある言葉が連続してしまう 「お・お・お・おはよう」「ぼ・ぼ・ぼくね」など

2・伸発型:発語の時の最初の音がのびてしまう 「おーーーーはよう」「ぼーーーくね」など

3.無声型:発語の最初の言葉から後を続けることができない 「お・・・・(続かない)」「ぼ・・・(続かない)」など

 

幼児期にみられる吃音・どもりは発達障害に!?「落ち着いてゆっくりしゃべりなさい」と注意する前に気をつけてあげる事9つ

 

1.「話す」という能力が発達途中だと知る

吃音・どもりがなく話していた子が急に吃音・どもりが目立つようになったら、皆さん心配に思うと思います。

でも幼児の吃音・どもりは発達性吃音と呼ばれ9割近くの子は成長とともになくなっていくことが多いようです。

それは「話す」という能力が発達するからです。伝えたい事、話したい事を認識する能力の発達が速く、脳の「話す」という部分の発達がまだ追い付いていないという可能性も考えられます。

2.話し方を直さない

焦って話しているわけではないんです。吃音・どもりになっていることに気が付いていない子もいます。

口がもつれて吃音やどもりになっていると多くの大人は思い、「落ち着いてゆっくりしゃべりなさい!」と注意してしまうことが多いようですが、言葉を頭の中で音声にする脳の働きがうまくいっていないのです。

いくら口や舌や呼吸器の使い方を意識させたり、話し方を「最初の音に力入れてみようか?」など工夫したりしたところで一時的にスムーズに話せるようになっても、根本的に治療することにはなりません。

ではどうすればいいのでしょうか?

話し方を直さないのです。「ちゃんと伝わっているよ。」と話す事に嫌悪感や苦手意識を持たせないことを意識して関わるようにしましょう。

3.話しの内容に注目する

話し方よりも内容に注目してあげます。話の内容を遮らず最後まで聴いてあげることが大切です。何を伝えたいのかな。何があったのかな。と注目して話しを聞きます。言葉を遮られることなく話を最後まできちんと聴いてもらい伝えることで、子供は話すことの楽しさや言いたいことが伝わった達成感を感じます。

もし、なかなか言葉が出てこないときは、「うんうん、それで?」「○○がどうしたの?」などのような言葉をかけてあげるとよいです。うまく次の言葉を引き出してあげることで、どんどん話が広がり話しやすくなっていきます。

自信を持って楽しく話すことが吃音・どもりの改善に効果的です。

4.吃音の話題を避けない

吃音・どもりを意識させないように気をつけていると、家庭では吃音の話題を傷つけてはいけないとどうしても避けてしまいがちになります。でも家庭で吃音の話題をタブーにしてしまうと、「吃音は悪いもの」「話題にしてはいけないこと」と感じてしまい、外で吃音のせいでからかわれたり嫌な思いをさせられた時に相談できなく、一人で抱えてしまうということが起こったりします。

本人が吃音について気がついたり、興味を持ったり、知りたがったりした場合は包み隠さず、吃音があること、吃音が悪いことや恥ずかしいことではないことを伝え、吃音についての正しい知識を身につけさせることで他者からのからかいをかわせるように心を育ててあげることが必要です。

5.医療機関を受診する

吃音は、多くは幼児期のうちに自然治癒します。でも残りの2割くらいは成人になっても残る人がいるのです。我が子がそうなる可能性もあります。

「小学校に上がれば治る例が多いようだ。様子をみよう。」と安易に考えず、一度医療機関を受診して見守っていていいのかよくないのか診察を受けることが大切です。その場合は心療内科や神経科を受診します。

6.ゆったりとした関わりを意識する

その子の話し方を意識するのではなく、親の関わり方を意識しましょう。ゆっくり話すように注意するのではなく、ゆっくり話しかけ、ゆっくり話すようにしましょう。そうすれば子どもも自然とゆっくり応えるようになってきます。

過度な期待や厳しい教育や躾・態度に気をつけましょう。吃音・どもりを発症してしまう子の多くは感受性が豊かな子が多いようです。人よりも敏感な面があり、同じように接していても感じ方が違ったりします。親にその自覚がなくても、気付かぬうちにストレスを感じ、自分の気持ちを押し殺してしまうという場合もあるようです。

まずは、自然な発話を抵抗なくできるように感情や意志を自発的に出せるように穏やかにのびのびゆったりとした環境を整えてあげましょう。

7.スキンシップを増やす

手を握ったり、頭をなでたり、抱っこする機会を増やしたり大いにスキンシップしてあげましょう。子どもが笑うスキンシップ遊びをいっぱいしてあげましょう。そうすることによって情緒が安定し、子どもの心が穏やかになり身体や脳の健やかな成長に繋がります。

8.向き合う時間を意識して多くとる

吃音・どもりは最近では親の厳しい躾で発症するものではないと言われてきています。その通りだと思います。私のお友達も決して厳しく接しているわけではありません。何かを過度に求めている訳でもありません。

でもその一方で環境を整えてあげることが吃音・どもりには効果的という結果が出ております。

吃音・どもりを発症してしまう子の多くは感受性が豊かな子が多いのです。人よりも敏感な面があることはお友達の子どものAくんからも感じます。吃音・どもりも子どもからの何かのサインなのではないかと思います。今向き合う時間を多く必要としている状況にあるというサインに違いないんです。

9.幼稚園での対応・周囲の理解を促す

周囲のお母さんたちはどうでしょうか?吃音やどもりというのはあまり気にしないという人が多いのではないでしょうか?なぜかというと自分の子どもに悪い影響がないからです。以前違うお母さんにも「うちの子“どもり”が気になってね。」と話しを聞いたことがあったのですが、私は全く気が付いていませんでした。一生懸命しゃべっているなぁとしか感じていなかったのです。

幼稚園では担任の先生にお話ししておくと安心かもしれません。幼稚園児だと「いろんな子がいるんだ。」というのを感じとっている時期なので、その違いに気付き指摘する子はまだ少ないと思います。でも年中・年長になり認識の発達が早い子もいます。上の兄弟のマネをしてからかうということもあるかもしれません。そんな時にどうするのか相談しておくと安心です。

私のお友達は義理の両親がAくんに久しぶりに会い「なんでそんなしゃべり方してるの!?」と可愛いと笑ってしまったらしいです。特に親世代とは考え方が違ったりすることがあると思いますので、最初にしっかり話し協力してもらえる体制を作っておくこともしてあげたいです。

 

まとめ

吃音・どもりは親がその子を思えば思うほど干渉したくなり、注意やトレーニングのようなことをすることによりその症状が悪化することが非常に多いという結果が出ています。心理的なもので吃音・どもりは悪化してしまうのです。吃音・どもりを発症する子の80%~90%の子の子どものタイプも感受性が強く、繊細でストレスを受けやすい子という検査結果があるようです。それを考えるととても対応が難しいものです。

 

でも答えはシンプルなんです。

「ありのままのあなたでいい」という受け入れの姿勢なんです。

 

吃音・どもりもあなたの個性。何も欠けたり劣ったりしているわけではないんだよ。という親の受け入れの気持ちが一番大切なのではないでしょうか。

そこを土台にしてゆっくりとよく話を聞いてあげ、話す事を楽しく感じさせ、流暢に「話す」という脳の伝達経路を強化していくということが必要なのではないでしょうか。

 

 

「吃音で調べていたら発達障害ってでてきてね。」と私の友達は心配しておりました。

“発達障害は脳の障害です。”と書かれていてとてもビックリしたようです。

「訓練しなくては。」とことばの教室に通わせることをAくんにどう伝えようか迷っておりました。吃音・どもりさえなければ何の心配もいらないのに。と言っておりました。吃音・どもりをどうにかしなければこの子は障害になってしまう。という思いに苦しめられていることを感じました。

親にとってこんな恐怖はないと思います。

私も気持ちわかります。

いじめや嫌がらせによる不登校やうつ・引きこもりなど2次的な被害を避けるために発達障害が注目され、法律が整備され様々な試みがされているんだと思っております。

そして国が動き出したことによりたくさんの発達障害の子どもたちが理解され生きやすくなってきていると感じています。

でもその一方で発達障害グレーゾーンの子・境界域の子・発達に心配のある子・吃音を抱えている子・育てにくい子はどうでしょうか?その理解は深いようでまだまだ浅いものなのではないでしょうか。

もう一歩先を目指したい。

「みんな違ってみんないい」という気持ちを育てるというところがまだまだ取り組み切れていない事を感じております。

 

 

お読みいただきありがとうございます。

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