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子どもの“偏食”“好き嫌い”これは子育て中のお母さんならば一度は悩むことがあるのではないでしょうか?
わたしの周りのお母さん方も「うちの子野菜が全然だめでね。」「魚は鮭くらいしか食べないよー。」などの定番の好き嫌いから「うちの子はカレーライスがダメなのよ。」「卵焼きがダメでお弁当の彩りが難しくて・・・」「果物が苦手でね。」というように子どもが大好きなメニューでさえ苦手だという子どももいると耳にしたりします。
でも昔の「ちゃんと食べなきゃ大きくなれないよ!食べ終わるまでごちそうさまできないからね!」という考え方とは現代の“偏食”“好き嫌い”の対処法は少し変わってきているように感じます。
今のお母さん方は子どもが興味を持ち食べられるようになるまで待つという方針をとっている方が多いのではないでしょうか?
「一生懸命作っても食べてくれないんじゃ作りごたえがないから基本は子どもが食べられる物を作っているよー」というようにいくらでも子どもの嗜好に合わせて物が手に入る時代だからでしょうか・・・
そのようなお母さん方の“偏食”や“好き嫌い”による対応によるものなのか、hidakaのお友達は“偏食”と呼べるんじゃないかという程度の子や“好き嫌い”のある定型発達の子が多くいます。
そんな中・・・hidakaは緑の野菜は「苦い」と言って食べなかったり嫌がったりするのですが、他のもので目立った“偏食”や“好き嫌い”はなく出されたお菓子をもぐもぐ食べ、キウイやパイナップルなど刺激の強い果物はもちろん色々な果物を食べたり、時にはBBQで熱々のホルモンなんかも果敢にチャレンジしてみたり、そんな姿を目の当たりにしたお友達のママは「hidakaくんは何でも美味しそうに食べるよねーいいなぁ。」と羨ましがられるほど。発達障害の特性にある感覚過敏による“偏食”や“こだわり”そして定型の発達の子にもみられる“好き嫌い”というもので悩んだりは今までなかったのです。
外食も問題なくもりもり食べ、お友達とお弁当を食べたりする機会も入園前に公園や家であったので、どきどきの幼稚園生活だったのですが、給食に関しては全く心配していませんでした。
偏食ではないと思っていたのに・・・給食が全く食べられなかった発達障害グレーゾーンの息子 その理由と克服法
幼稚園に入園し、しばらくすると給食とお弁当が始まりました。
できることをできるだけしてあげようと、慣らしの午前保育の間からお弁当を作りお昼ごはんにそれをひとりで開けたり、自分でお弁当を食べたり、食べ終わったら閉まったりするということを何となく経験して少しでも私がいないという空間で食事を楽しめるように準備をしたりしていました。
給食に関しては食欲が旺盛で外食も楽しんだりすることができていたので、きっと楽しめるに違いないと考えていたのです。
給食が始まった日、お迎えに行くと担任の先生に会えました。チャンス!と思い「給食どうでしたか?」と聞いてみました。
「パクパク食べていましたよ。問題ありませんでしたよ。」と言ってもらえ食事に関してはどうやら大丈夫みたいだとホッと一安心したのを覚えております。
ところが、それから数日後先生より「hidakaくん、給食の時間になると泣きだしてしまい教室にいられないようなんです。個別に先生に対応してもらってます。」と連絡がきました。
これは・・・私が恐れていた問題と呼べるものなのではないでしょうか・・・
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給食が嫌になってしまった原因
考えられるのは給食を最後に食べた日のことです。先生に何か気になることはなかったか聞いてみました。そうすると特に考えられる問題はなかったのではないかとの回答でした。
給食を最後に食べた日は実は療育に行くために早退した日でした。その日療育に向かい、一日試しに幼稚園と療育を両立するとどうなるのか体感してみました。幼稚園を早退しなくてはいけないこと、慣れない生活の中で幼稚園に行きその後バスに乗り療育に行き一時間グループ療育に参加するというスケジュール・・・正直クタクタのようでした。帰りのバスでは寝てしまい、帰ってからも疲れからなのかいつもよりグズグズ。この幼稚園の後に療育に行くというのはhidakaには重いのではないかと思いました。
そのためその日を最後に夏休みなどの長期休みに療育に通うという方向に切り替えたのですが・・・
もしかすると、療育の為に早退するというスケジュールに合わせて、先生が私たちでは気にならない程の急かしのようなものがあって時間に追われる中での給食を苦痛に思ったりしたのかもしれません。私の推測なのですがその次の回の給食で給食の時間を嫌がるという行動になったのは紛れもなく事実なんです。
その嫌がった日はベテランの先生が対応してくれたようです。嫌がるhidakaを抱っこし結構ねばって席に座らせるという対応で頑張ってくれたようです。その前の給食の時間は大丈夫だったから今回だけかもしれないとは思ったようですが、特別な対応をよしとしてそれがhidakaの中で定着してしまってはと思ってくれたのだと思います。
でもその次の給食のときからその先生がいるともっと不安定になったらしく、別の先生が対応しましたと言っていました。あー何がダメだったんだろうと原因を考え、そうしなければよかった、そうしなければよかったのにと元の特性を考えず、後悔したりするのでした。
給食が嫌になった理由を本人に聞いてみました
hidakaに「給食はどうして嫌になっちゃったの?」と聞いてみました。「・・・・」返答はありません。目が合わなくなり落ち着かない様子でした。言葉にするには難しかったようです。理由が漠然とし過ぎていて自分でも感じていないことも考えられます。こういうときの本当の理由を聞き出すことは非常に難しい。理由がわからなければ対処法も手探りになります。
幼稚園がやってくれた対応
▼給食の時間に教室にいられるということを目標にする
とにかく給食の時間になると泣いてしまい教室から脱走してしまうhidaka。まずは給食の時間に教室にいられることを目標に対応してもらいました。その方法は無理強いしないことです。個別に先生が対応してくれたようで、その先生と「幼稚園探検」と称してhidakaが思うようにお散歩していたようです。2カ月くらいの間特別な対応をしてもらえ、その合わせてもらえたという事で気持ちに余裕が生まれてきたのか、本当は自分の教室にいないといけないということを感じられるようになり、「戻ってみようかな」という思いに変わっていったようです。
2カ月くらい経った日のある日「hidakaくんが自分で「もどる」と言ってくれましたよ。」と教えていただきました。
▼自分のお弁当箱に入れ替えする
もしかすると入れ物が嫌なのかもしれません。そういう子はたまにいて入れ物を変えれば食べられるということもある。とのことで「お弁当箱を持ってきてそれに詰め替えしてみましょう!」と担任の先生が提案してくれました。そして食べて大丈夫だったと思う事を優先してみましょうとのことでお弁当はもりもり食べていたhidakaに「お母さんが作ってきてくれたよ。」と演技までしてくれたのです。
→せっかくの先生の案でしたが・・・結果は失敗。「だまされないぞ!」と思った様子でした(苦笑)との報告でした。しばらくやってもらいましたが、効果はなく断念。でも先生は前向きでまた別の方法試してみましょうか!と言ってもらえました。
▼準備とお片づけは自分でする
給食の時間というものに抵抗が出てしまったhidakaでしたが、先生方の小さなステップでのアプローチによって、給食の時間に教室にいられるようになりました。
次のステップは準備とお片づけです。
担任の先生はhidakaの為にシール表を作ってくれ、出来たらシールを貼ったり、クラスのみんなでhidakaを応援するという雰囲気作りをしてくれたようです。プレッシャーにならないように慎重に様子をみながら、クラスの子に手伝ってもらったり、応援してもらってようやくお片づけは出来るようになりました。
この準備とお片づけを自分でするというのは年少のときの目標でした。日々できたりできなかったり。できるようになったなと思ったら、休み明けできなくなってしまったり。クラスの子もお手伝いが大好きで、hidakaの分を勝手にやってしまったり、それがhidakaの中で当たり前になってしまったり。先生が「hidakaくんの為にならないから自分でやってもらおうね。」と声を掛けてもらったり、たくさん対応してもらいました。
逆効果だったこと
一生懸命幼稚園の先生が対応してくれ、その結果を報告してくれました。報告してほしいと言ったのは自分なんですが、いつも「今日も食べられませんでした。」と報告されると正直寂しい気持ちになってしまうんです。。。
私にも何かできないかなと思い立ちました。
hidakaに「給食食べてみようか!」「ママ昔給食大好きだったな。」など給食の話題で多く声掛けしたり給食の献立表にシールの欄を書き「食べれたらシール貼れるよー」と促してみたり、「一口でいいから食べてみよう!」と急かしてみたり、帰り道で「今日給食食べれた?」と毎回聞いてみたり・・・
給食のことで頭がいっぱいになってしまったのです!給食以外に目立った問題がなかったからでしょうか・・・「給食さえ食べられれば普通の子になれるのに・・・」とまで思ってしまい、hidakaの顔をみることが辛くなってしまったんです。hidakaの発達と向き合い1年半。黒ではないけれども絶対に白にはなれないという状況に疲れが出てしまったのかもしれません。「ちょっとひとりになりたい・・・」と短い時間でしたがひとり部屋に籠るという時もありました。もちろんそんな風にされたらhidakaが安定するわけがありません。
それまで順調にステップを踏んでいたはずなのに急にまた給食の時間に泣きだしたりしてしまうようになってしまったと先生より報告がありました。。。hidaka・・・素敵ママ対応できなくてごめんよ。。。
わたしがhidakaにやってあげたこと
家では給食の話しをすることを辞めました。わたしは給食の事に関してはノータッチという姿勢に変えました。全く無関心という訳にはいかないので、パパにその役を代わってもらいました。パパは仕事から帰ってきてたまにお風呂などリラックスしているときに「給食食べたかー?」とか一緒に給食の献立表をみて「パパこれ食べるぞ!」とパクパク食べているふりをしてみせたり、軽く声を掛けて見たり、遊びのような感覚で給食に対する親しみを感じられるようにアプローチしてくれました。
hidakaもその対応が調度よかったらしく、「食べないよー!」と自分の気持ちを言葉にしてみたり、「hidakaも!!」と食べるマネをして遊んでみたり少しずつ給食を食べるという事がどうやら今の課題なんだなと意識してきているようでした。
まとめ
1年間そのように対応してきた結果、hidakaは年中になった時のはじめの給食の日に給食を克服し、食べられるようになりました。一口ずつ少しづつというものではなく、急に何事もなかったかのように食べ始めたのです。
どうやら担任の先生には「年中になったら食べる!」と約束していたようです。
その日行く前に「ひだか、きゅうしょくたべる」と意味深なことを言っていましたが、「あらそうなの♡」くらいに留めておき、担任の先生もわたしも過剰に応援することもなく、hidakaに任せるよという風にしていました。
先生より「食べられましたよ♡」と聞いた時、本当に信じられない思いで涙が溢れ出ました。こんなにも大きく感じていた問題を乗り越える日がくるなんて想像出来なかったんです。
もし、お友達の子が食べられなかったとしても「いつかお腹が空けば食べるようになるんじゃない?焦らず焦らず。」なんて言っていたかもしれません。
でも発達障害グレーゾーンの子なんです。発達に心配がある子なんです。
いつしか“給食が食べられない”=“集団生活に適応できていない”という考えから、いつかもっと大きな問題が出てきてしまうかもしれない。という見えない想いで押しつぶされそうになっていたんですね。
児童精神科の先生に言われました。
「給食が食べられない原因はきっと私たちだったら気にしない何かが原因なんだと思います。それは例えばスープに浮かぶわずかな油が気持ち悪かった。というようなその子にしかわからない些細なことがきっかけで始まったことだと思います。hidakaくんはそういう敏感な部分を持っているということに間違いはありませんから。」と。
その敏感な部分をうまく社会に合わせることができなかったらやはり発達障害という診断が必要になってくるのかもしれません。
でもその敏感な部分に折り合いをつけて社会に適応させることができれば発達障害という診断名は必要にならないのです。
発達障害グレーゾーンの子・発達に心配のある子はそういう意味では他の定型の発達の子だったら成長とともに大丈夫になっていくでしょうと気にしない何かで大らかには見守れないような心境に陥ることもあると思います。
でも結局一番効果があったのはその子の成長を信じて見守るということだったりするんですよね。
発達障害グレーゾーンの子や発達に心配のある子を持つお母さんはその問題行動にどのように対処するか、それでその子の方向性が変わるのではないかと時に悩み一生懸命になりすぎることもあるかと思います。
確かに些細な間違いでそのこだわりや特性から社会に適応できない何か小さな問題が生まれ克服するのに並々ならぬ苦労をすることになるかもしれません。
でも失敗を怖がっていては何も経験させることができません。そこから生まれる成長もありません。
問題が生まれてもいいんです。ひとつずつひとつずつ小さなステップで克服していけばいいんです。一見後退したようにみえてもそれは前に進んでいるのではないでしょうか。
そうしてその子の人生を豊かなものにしていけるといいですよね。
それが私たちにできることなのではないかなと思ったりしております。
お読みいただきありがとうございます。
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