発達障害グレーゾーン “グレーゾーンの子”の現状を知る

発達障害グレーゾーン|2018/07/09 posted.
Pocket

ご訪問いただきありがとうございます!

 

先日、旦那さんのお仕事の都合でお引っ越しをしてしまい、離れていたママ友達が、帰省するということで、久しぶりに幼稚園時代のお友達数人と集まる機会がありました。

お引っ越しをして、違う地域で暮らしているお友達A子さん。

A子さんのお子さんは、ある部分でhidakaと共通しているところがあり、お互い他のママ友達とは共有しにくく、話しにくい事を共通の話題として、我が子の育児の情報交換や時には励まし合っておりました。

その共通点とは・・・

異常なまでの“文字や数字への興味”です。

この話題というのは、一つ間違えると「うちの子は賢い子なのよ~。困っちゃう。」のように、自慢話のように聞こえてしまうので、誰にでも話せるかというと・・・・そういう話題ではありません。

でもこの“文字や数字への強い興味”というのは、間違いなくその子が持つ魅力であり、我が子の育児を楽しみたいと感じているママであれば、誰かとこの長所を伸ばしていく為の情報交換をしたいと、密かに考えたりしております。

そして時にはその異常なまでな興味というのが、日常生活で悩ましくなる事もあるのです。

そんな時に、「そういう事あるよね~。」という共感してくれる言葉が、孤独な育児から気持ちを解放してくれたりします。

A子さんと私も、そんな感じで顔を合わせれば、「hidakaくん、最近、何興味ある?」や「A人、こんなこと初めてみたよ~。結構いいかも。」というように、ハイパーレクシアならではの“あるある”に話しを弾ませたり、我が子にとって“いいもの”というのを情報交換してみたり、私はhidakaの得意な部分に注目できるので、A子さんとのおしゃべりは息抜きになっておりました。

ただ、A子さんのお子さんのA人くんは、とても賢いタイプのお子さんで、hidakaのハイパーレクシア(過読症)な特性と一致する部分はありますが、hidakaのような発達障害の特性を持ち合せていませんでした。

(→ハイパーレクシア!熱心に教えたわけではないのにいつのまにか読めるようになっていた文字や数字 それは症状なのでしょうか?

つまり・・・・

本当に賢い、ハイパーレクシアのタイプⅠ型の子です。

少し繊細なところもあり、その賢さから同年齢の男の子たちと走り回って盛り上がったりは難しい様子でしたが、お笑いが大好きで、社交的で、コミュニケーションや発達を心配するということはなかったのです。

そのお友達のA子さん、hidakaが発達障害の心配をしていたことがある事は、特別お話していなかったのですが、我が子のこれからの進学で心配をしているようでした。

私「お引っ越しした地域は暮らしやすい?もう慣れたかな?A人くん、1年生の勉強、退屈なんじゃない?楽しく通ってるかな?」

A子さん「A人は元気だよ!新しいお友達もできて、学校楽しいみたい。でも・・・引越しをした地域がちょっとね。住んでみるといろいろわかるもんだね。失敗だったかも。。。学区の中学校がグレーゾーン・・・知ってるかな?そういうタイプの子をたくさん引き受けている学校で。A人は、結構勉強に集中したいタイプの子だから、学習環境は整えてあげたいなぁと思っていて。まだ6年間あるから、また引越し考えていかないとなぁと思っていて。。。私立は金銭的にも難しいし。。。。」

私「・・・・!そうなんだ。グレーゾーンの子かぁ。。。そういう学校があるんだね。A人くんは、ちょっと敏感な面もあるもんね。勉強集中できる環境整えられるといいね。それにしても、その為の引っ越しは大変だ。いろいろ悩ましいね。」

A子さんは、子ども関係のお仕事をしていて、グレーゾーンの子どもたちに変な偏見?を持っている?という響きには聞こえませんでした。そういう意図での話しではないことを、我が子のハイパーレクシア話をしていた仲間として何となく感じました。

A子さんは、お仕事柄“グレーゾーンの子”というのが多い環境というのが、どのような雰囲気であるのかということを、もしかすると周囲のお母さん方よりもイメージ出来ているのかもしれません。

そして他のお母さん方と変わらず、我が子の将来の事に思いを馳せ、我が子の特技である“勉強”というものに集中できないかもしれないという環境を心配し、“勉強”に集中できる環境を整えてあげたいと思い、情報交換としてそのような話しを私にしたんだと思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それにしても、グレーゾーンの子が集まる学校というのが、本当にあるのでしょうか?

A子さんの話しで出てきたように、ママ達の間で“グレーゾーンの子”というのが話題にあがり、注目されつつある事を感じました。

ですが“グレーゾーンの子”、そのイメージはとてもじゃないけれど“いいイメージ”とは、言い難いものでした。

 

発達障害グレーゾーン “グレーゾーンの子”の現状を知る

スポンサーリンク

発達障害グレーゾーンには段階がある!?

実は発達障害グレーゾーンには、あまり知られていませんがエリア1という範囲に属する子と、エリア2に属する子がいます。

どちらのエリアの子も、専門機関で“グレーゾーン”という診断結果になります。

エリア1に属する子というのは、やや不器用さが日常生活で表れる子です。

この程度の子というのは、手先の不器用さ、対人面での不器用さ、集団生活における不器用さというものが、飛びぬけて目につく訳ではありません。

ですが、本人が感じている困難というのは、周囲が思っているよりも大きなもので、例えば、先生のひとことでは伝わらず違う事をしていて指摘されたり、集中力に欠けぼーっと空想の世界浸ってしまい学習や重要なことが伝わっていなかったり、周囲と同じというのが手先の不器用さから難しい場面もあります。また、そのような苦手というので、おっちょこちょいな失敗を繰り返してしまう事もあります。

大きく問題を起こしたり、大きく人に迷惑をかけるという事はないのですが、持っている不器用さから生まれる、小さなつまづきが目立ちます。

学校の先生や周囲のお母さんたちからは、ちょっと個性的な子という認識である事が多いようです。

「苦手な事もあるよね~。」や「こういう子もいるか。」というように、性格的なものとして、特段“発達障害”というものを意識する人は少ないかもしれません。

一方エリア2に属する子というのは、学校生活のなかで多く要求される集団行動で困難が目立つタイプの子です。

ルールが守れなかったり、対人関係でトラブルがあったりと、教師も親も手を焼きますが、その様子がいつもいつもではなかったり、度合いが激しくなく、社会が許容し、適応できる範囲であるとして、診断が降りない状況の子ども達です。

学校の先生から親へ特別な報告があったり、周囲のお母さんたちは、「もしかして・・・発達障害・・・・?」と思う方も中にはいるかもしれません。

普通学級の中では、名前が挙がる事を避けることはできず、多くの人達はこのタイプの子ども達のイメージで“グレーゾーンの子”という認識を広めております。

エリア3というのもあるのですが、ここからは“発達障害”の診断がされることが多いです。

通常学級の6~7%と言われているので、100人で33人くらいの3クラスを作るとして、一クラスひとり。

思い返してみると、困難を抱えているクラスメイトの顔が、皆さん一人は思い浮かぶのではないでしょうか?

発達障害グレーゾーンにも種類がある!?

発達障害の代表的な種類は大きく分けると5つあります。そのそれぞれに“グレーゾーンの子”というのが存在します。

①アスペルガー症候群のグレーゾーン

コミュニケーションのスキルにつまづきがあります。

相手の意図や気持ちを読む事が難しく、興味や関心が偏っていたりします。記憶力は高い子が多く、その結果学業成績が優秀だったり、特定の分野で深い知識を持ったりします。

ですが、対人面での苦手というのが、低学年のうちは許容されることが多いのですが(度合いにもよりますが)、高度な人間関係が発展してくる高学年で“お友達関係”で苦労したりします。

アスペルガー症候群の特性を生かし、高い自己肯定感が育っていれば、“自分は自分らしく”と周囲に無理をして流され過ぎることなく、周囲にも“そういう子”と認められ受け入れられていると、楽にのびのびと自分の良さを伸ばし、過ごしていけるようです。

②ADHD(注意欠陥多動性障害)のグレーゾーン

行動スキルにつまづきがあります。

衝動性があり、物事をじっくり考える事が苦手で、学校では席にずっと座っている事が難しかったり、そういう時間ではないのに大きな声で発言してしまったり、忘れ物、失くし物が目立ったり、うっかりミスが多かったりします。

このタイプの子は、グレーゾーンの子の場合も結構クラスで目立ったりします。

男の子の場合は、元気で活発なやんちゃなイメージを持ちます。落ち着きのなさから、クラスのまとまりを乱しているように感じる方もいるかもしれません。

行動面での落ち着きのなさというのは、学校の先生も子ども達の安全を守り、集団をまとめていくのに手を焼くことになります。名前を呼ばれたり、怒られてしまうことも周囲の子よりも多いかもしれません。

③LD(学習障害)のグレーゾーン

基礎学力スキルにつまづきがあります。

読み書きや計算、聞くこと、語ることという基礎学力スキルの一つ、またはいくつかに困難を抱えていて、それにより通常の教育では学習を重ねづらい状況に陥ります。

対人面の発達や集団の行動での様子というのは、周囲の子ども達と変わらない事が多く、幼稚園時代は何の問題もなく過ごしてきている子が多いです。

ですが、就学を機会に、基礎学力を問われる事が増え、その困難というのが明るみになることが多く、学校の授業でつまづくことが本人の大きな負担になる事があります。

通常の教育というのでアプローチしても、何度言ってもできなかったり、周囲が当たり前のように習得している事が難しく、親は気持ちを入れれば入れる程、気を揉みます。

結果として、“やってもできない”“教えられてもわからない”という経験を積むことになり、「自分はダメだ。」と自信をなくし、“学習”への意欲が低くなる傾向があります。

④発達性協調運動障害のグレーゾーン

運動スキルにつまづきがあります。

手先が不器用だったり、全身運動で身体の使い方が不自然だったりします。体育の授業で遅れをとったり、どんくさいイメージを持たれたり、運動というものに抵抗を持つ子が多いです。

どちらかというと体格面での問題で、運動音痴になっているというものではなく、身体の造り的には出来てもいいようなことができないというものです。

“ケンケン”に代表されるように、片足を折り、その場でぴょんぴょんするというものでも、飛行機型と呼ばれる片足を後ろに大きくそり、前身が前のめりに傾き、その場でのジャンプの難度を高くするというように、バランスのとり方だったり、身体の使い方に困難があります。

ボール投げという場面でも、複数の器官を同時に制御しながら動かす事が難しく、ボールが思っているような軌道で飛ばなかったりします。

(→5歳どうして“ケンケン”のチェックをするの?発達障害と“ケンケン”のつながり 発達検査で“ケンケン”が検査項目にある理由と背景

⑤知的障害のグレーゾーン

知的な能力というのは、言葉や抽象的な物事に考えを巡らせ理解し、目的に沿って合理的に考え、効率的に環境を処理する総合的な能力の事です。知的障害と認定されるのは知能指数IQが70に至っていなかった場合です。平均的な知能指数というのは、IQ90~109です。

平均より低いと、やはり物事の理解や、合理的で効率的な行動というのに、苦手を抱えたりします。

平均的な知能指数の子ども達が出来る事が、知的障害のグレーゾーンの子では時間が掛かったり、難しかったりするのです。

身の周りの事などでは遅れをとったり、目立ったりする事はありませんが、学業面では遅れをとったり、対人コミュニケーションでつまづきを見せたりします。

―――――――――――――――――――

hidakaの場合

hidakaはグレーゾーンの段階としては、エリア0に近いエリア1に属するのではないか?と、彼の事を正しく理解する為に私は考えております。

エリア0というのは、健常の領域で、従来の教育や保育が通用する子ども達です。時と場所、状況に合わせ考えを巡らせ行動できる、豊かな適応力が備わっています。

児童精神科の先生に言われた訳ではありません。

ですが、持っている苦手というので、周囲の子が当たり前のようにやっている事で苦労している事があると思います。

その時、その場、その状況に合わせる力、適応力に少し弱さを感じます。

エリア1の子というのは、少し苦手でつまづいたときに、丁寧に接してもらうことで、本来の能力を発揮できたり、苦手を補う方法というのを自ら学習したり、社会に適応していくことができます。

そういう意味では、健常域の子ども達のように、安心して従来の教育にすべてお任せという訳にはいきませんが、大人の目があり、気をつけてみていけるという環境を整えてあげられれば、大きな問題に発展する可能性は低いのかもしれません。

そして、hidakaのグレーゾーンの種類は・・・・対人面での不器用さやコミュニケーション能力の苦手を考えると、やはりアスペルガー症候群傾向と言えるのではないかと感じております。

(→アスペルガー症候群を知っていますか?一見すると障害に見られないアスペルガー症候群の子ども特徴16

私たちが掛かった児童精神科の先生は、保守的な先生で、私たちには診断めいた言葉はいっさい使いませんでした。

(→非定型自閉症・特定不能広汎性発達障害・・・掛かる先生によって発達障害グレーゾーンの子の未来は変わってくる!?児童精神科の先生の2つのタイプ

言葉に囚われやすい私には、本当にその配慮は助けられたのですが、我が子をよく知る、グレーゾーンをよく知るという事を考えると、上記のように、段階や種類というのを知る必要があると感じました。

そして、実は知的障害のグレーゾーンというのも、私は注目するべきなのではないか?と考えております。

なぜかというと、私は“知的障害のグレーゾーン”というので、近所に住んでいた“お姉ちゃん”の事を思い出しておりました。

彼女は知的障害ではなかったのですが、少しテンポが遅く、私たちが1聞けばわかることを、10まで説明しないと、しっくりとこないという場面がいくつかありました。

“お姉ちゃん”のお母さんは、他の兄弟とは違うその反応に、困惑していたようです。

今でも覚えているのですが、お姉ちゃんの家に遊びに行った時に、時計をお姉ちゃんのお母さんが教えていたのですが、お母さんは「どうしてこんな簡単な事がわからないの!?」と怒っていました。

子どもながらに、「時計が読めないと怒られるんだな・・・・」と、学習への苦手というので怒られる事が強く印象に残りました。

他にも私の母とお姉ちゃんのお母さんが話していた事を覚えています。

「○○(お姉ちゃん)は、学校でお友達に恵まれないのよ~。いつも何だか支配的な子が近寄ってきて、都合のいいように扱われるみたいで、とても心配。もっとハッキリと嫌な事は理由を伝えて、嫌と言えばいいのに。」というようなことを話していたのを覚えています。

“お姉ちゃん”はとても優しく、ゆったりした雰囲気で、年は2つほど離れていましたが、私の性格とは合い、お互いお家を行き来して遊んだ時期がありました。

その中でも記憶に残っているのですが、“お姉ちゃん”が小学生くらいになると、家の鍵がかかっているかを何度も確認したり、少しチックのようなものがあったことを覚えております。

学年が上がっていくと、それぞれ交友関係が広がり、一緒に遊ばなくなり、いつのまにか両親のお仕事の都合でお引っ越ししてしまったので、今どのように過ごしているのかは知りません。

“お姉さん”、明らかな障害があった訳ではありません。

ですが、知的な部分でIQ70~80の子ども達というのが抱えている困難というのも、理解されない環境で育つと、大きな負担になり、2次障害というものと無縁ではない?と感じさせられました。

―――――――――――――――――――

まとめ

よく知らないものは、怖いものです。

“グレーゾーン”という言葉は、そのカラーが物語っているように、明るいイメージのものではありません。

hidakaが幼稚園に入る前、面接を受けた幼稚園でも「グレーゾーンの子はお断りしています。」と断られたり、ママ友達にhidakaの発達を心配している事を話すと、「グレーゾーンの子を多く受け入れている幼稚園知ってるよ!」や、親身にhidakaに話しかけてくれましたが、反応がないと「・・・・まだわかんないか。」というように、悪気はないのですが自分達が知っている“グレーゾーンの子”として一まとめにされ、hidakaの“ありのままをみてくれない”というので、モヤモヤした時期がありました。

私は必要性を感じなければ、hidakaに発達の心配がある事、療育に通っている事、児童精神科に掛かっている事を口にしなくなりました。

そうすると、みんなhidakaをグレーゾーンという眼鏡でみることなく、“ありのまま”で見てくれるのです。

そのようなお付き合いに、救われた日々もありました。

いつもいつも我が子をグレーゾーンの子として見られ、悩ましい育児の話しをしたい訳ではないのです。

“グレーゾーンの子”。

決していい意味でその言葉は使われておりません。

“パステル”“カラフル”“スペシャルタレント”

肯定的に呼ばれる言葉もありますが、苦手に注目された“支援”の仕組みの中では、どうしたって浸透するのは“グレーゾーン”という言葉なんだと思います。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

 

 

“パステル”“カラフル”“スペシャルタレント”という言葉は、どうすればもっと広げていくことができるのでしょうか?

 

それには、彼らの持つ凸の発達が輝くことが必要不可欠なんです。

現代の日本では、凸の発達の支援というのは皆無で、誰も注目してくれません。

我が子の育児を楽しむ近道は、凸の発達を伸ばす事にあるのではないかと、発達に凸凹を持つ我が子と向き合い、接していく中で感じております。

我が子の凸の発達はなんですか?

その発達を伸ばすために何をしていますか?

誰でもない私たちの子どもなんです。

(→スマイルゼミ資料請求しました!発達障害グレーゾーンの子の凸の発達支援について考える)

 



 

 

Pocket

スポンサーリンク


スポンサーリンク


Difficult children 人気記事