マイペースを制する 発達障害グレーゾーンの子の子育て マイペースという長所を子育てに生かす10のヒント

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「あなたの長所はなんですか?」

 

はじめて、自分の長所を意識したのは、就職活動の“自己分析”のときでした。次に意識したのは、結婚式のプロフィールを作っていた時でしょうか。

そして、今では、自己が確立していて、自分の事をよくわかっております。

・・・・

「私の長所は、マイペースなことです。」

自分のペースに合わせて物事を進めるときが、一番パフォーマンスが高く、のびのびと本来の力を発揮できます。

逆に、人に合わせたり、自分のペースを乱し、焦りとともに行動や発言、情報処理することほど、苦手なものはありません。忘れ物をしたり、思わぬ事を口走ったり、落し物をしたり、気が効かなかったり。

最悪です。

では、我が子の子育てを考えた時に、この“マイペース”という長所は生かすことができるのでしょうか?

 

hidakaと過ごす時間というのは、手が掛からない一方、ひどく根気がいります。

それは、彼もまた、自分の興味が赴くままに、自分のペースで事を運ばせたい、マイペース人間だからです。

どんなに私が自分のペースで事を進めたくても・・・・

それは、無理な相談なのです。

 

一日の始まり。

私「ひだか!起きなさい!」(ごはんを8時までに食べさせて、あれして、これして、これもして・・・)

hidaka「・・・起きれない。寒い。」

私「部屋温かくしたよー。こっちにおいで。朝ごはん何がいい?パン?おにぎり?ヨーグルトもあるよ。」(やさしく。やさしく。ごはんを選ばせれば、気持ちがごはんにいって、起きてくるでしょう。大好きなヨーグルトもあるのよ。おいでおいで。)

hidaka「・・・・パン。バタートースト。」

私「わかったよ!焼けたら言いに来るね。」(焦りは禁物。朝は辛いよね。がんばれがんばれ。)

・・・10分後

私「ひだか!バタートースト焼けたよ!」

hidaka「・・・・」

私「パン焼き立てだよ。美味しいよ!ヨーグルト食べちゃうよ。」(ごはんの楽しみだけでは、起きられないのよね。ちょっと焦りを入れて、何とかベッドから連れていこう。)

hidaka「だめー!!!」好物のヨーグルトにつられ、ベッドからはね起きることに成功。食卓の椅子につく。とても不機嫌な様子で食べ始める。

私「ひだか、おはよう。「いただきます」言ってね。」

hidaka「いただきます。。。」

ごはんは集中して食べます。おしゃべり一切ありません。

10分後

hidaka「ごちそうさま。・・・眠たくなってきた・・・。」

私「!?」

「・・・じゃあ、ちょっとだけ横になっているかい?8時20分になったら、起きて準備しようね。」(うんうん。食べたら眠くなるよね。「横になりたい。」という、小さな願いが叶えば、「よし!今日も一日がんばろう!」という気になるかもしれない。その時間も考慮して、起こしているんです!慌てず、やさしく、やさしく。」

10分後

私「よし!そろそろ起きて準備しようか?」

hidaka「まだー。もう少し。」

私「んー。でも、もう幼稚園の時間だよ。まずは着替えしようか?ママと着替え競争しよう!よーい!どん!」

hidakaは、今、競争に負けたくないお年頃。

hidaka「涙。。。まだって言ってるのに!!」(と言いながらも、負けたくないので、身体を起こし、着替え始めます。しめしめ。)

私「負けないぞー!」(と言いながらも、朝は気分良く、幼稚園に行ってほしいので、悔しがりながら、負けてあげます。それぐらいお安いご用です。)

さぁ!着替えも終わったし、いよいよ、トイレに顔洗い、はみがきと身だしなみを整えて、朝の準備を加速していきたい!と思っていると・・・・

hidaka「朝ごはん。もう少し食べたい。」

私「!!!?」「んー。。。んん!?・・・・いいけど。ミニあんぱん1つだけ食べようか?」(えぇ!?さっきご飯終わったでしょうが!!・・・・幼稚園に行く時間も迫っている。でも、ここで、この願いを叶えなかったら、この後がスムーズに進まないでしょう。きっと、泣いているhidakaに渇を入れて、怒涛の準備を終わらせ、楽しくない雰囲気で、幼稚園に送り出さなきゃいけなくなる。。。あんぱん1つ食すまで3分。よし。我慢だ。これも想定内?合わせよう。)

hidaka「もぐもぐ。」ゆっくりもぐもぐ。

私「・・・・プチ」(幼稚園までに、あれもあれもあれもしないと、いけないのに。これ以上、何か言われたら、もう・・・無理。)

私「早く食べなさい!もう。時間ないって言ってるのに・・・ぶつぶつぶつ。」(あぁ。言ってしまった。)

hidaka、私の限界を感じる。

ここからは、今日はhidakaが折れ、私のペースに合わせてくれました。

なんせ、私は自分のペースで事を運びたいのです。hidakaも、私に似て、ましては、まだ5歳。自分のペースで事を運ばせたいのです。

火花チリチリです。いつ引火してもおかしくない状況で、ゆずってゆずってゆずって・・・・最後にゆずって。それでも、まだ!?もう無理。。。。涙。

子どもというのは、マイペースなものなのです。

親に遠慮なんて、しなくてもいいんです。

でも、一緒に過ごしていると、別々に何かをしているときは、いいのですが、「一緒に何かをしよう。」「何かを時間通りさせよう。」と思うと・・・気が狂いそうなほど、辛いです。涙。。

そのふたりのマイペースが、ぶつかり合うこと、多々あります。

私も、いつもいつも我慢をしていると、急にプツっと糸が切れたように、hidakaに合わせる事ができなくなるのです。

私のマイペースという長所が、子育てでは生かすことができていません。

 

マイペースを制する 発達障害グレーゾーンの子の子育て マイペースという長所を子育てに生かす10のヒント

 

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マイペースとは?

マイペース (my pace) は、自分に合った方法・進度を指す和製英語。そこから派生して、他人に左右されず、自らの方法や進度を崩さない性格の人間を指すときにも使用される。

(引用:Wikipedia)

マイペースが短所になる瞬間

「自分勝手」・・・マイペースが周囲の流れに反するものになり、影響があった場合、こう呼ばれます。
「やる気がない」・・・自分のタイミングや興味へ、やるべきことが向かなかった時、周囲にこう感じさせます。
「気分屋」・・・さっき言っていた事を、コロッと変えたり、周囲を振り回してしまった時、こう評価をされます。
「わがまま」・・・自分のペースや興味、やりたいことを相手に押しつけた時、相手が嫌な感じを受けると、このように非難されます。
「自己中心的」・・・自分のペースを、周囲の流れに背き押し進めていると、“自己中(じこちゅー)”と批判されます。
「気遣いができない」・・・自分の事でいっぱいになってしまった状況だと、周囲への気遣いが難しくなります。
「空気が読めない」・・・自分のペースや興味で、思考がいっぱいになっていると、周りの空気はとても意識しないと感じなくなります。

 

マイペースという長所を生かす子育て10のヒント

1.自分なりのポリシー考えを決め大事にする

正しい情報を知り、多種多様な意見を吟味して、自分の経験や価値観に当てはめたり、過去を振り返りながら、“自分はこういう育児をする”という筋を、一本しっかり通します。

発達障害グレーゾーンというのは、世にその言葉が生まれた歴史も浅く、まだ情報が新しいものばかりで、法律の改正と共に、まだその認識は変化していくことになるでしょう。

でも、今、知り得た正しい情報と多種多様な意見を、よく考え、自分の価値観に当てはめ、未来を見据えて、“自分の育児の道”を決めるのです。

芯がぶれないからこそ、それを貫き通す心の強さとモチベーションを保つことができるのです。

2.焦らない

マイペースな人というのは、世の流れには“鈍く”ていいのです。

3歳までに話せるようにさせないと。5歳までに○○させないと。「○○くん、まだ○○できないの?」という周囲の圧力。「○歳で○○できる子もいるんだってよ。」雑音。「あれもやらなきゃ。これもやらせないと。」これをして、あれをして、次はあれでしょ?間に合うかしら。。。

私たちは、日々様々なプレッシャーにさらされているのです。慌ただしさに自分のペースを乱し、やらなければならないことに追われ、焦り、小さな失敗をして、さらに焦り・・・・自己嫌悪。

そんな繰り返しは、たくさんです。

周囲に振り回されることなく、毅然とした態度で、自分の信念に基づき育児をするのです。

“誰にどう思われる”ということに、鈍くなれば、焦る必要はないのです。

3.自分の実力を知る

マイペースを制するには、自分の実力を知ることが必要なんです。

上に挙げたマイペースな人の短所というのは、マイペースを制することができていないから、短所になってしまうのです。

焦らなくても、空気を読まなくても、時間を守り、周囲に不快感を与えず、自分を輝かせることができる人は、自分自身の特性や実力を、しっかりと把握し、任せられた仕事や役目に対する時間配分や、やるべきことに対する計算を脳内できっちりこなしているのです。

これが、マイペースな人が、マイペースでも周囲に愛され、認められる条件なのです。

私がマイペースは自分の長所とできるのは、そこにあります。

仕事をしていた頃は、家を出る時間の2時間前には起きて、のんびり準備をしておりました。周囲の空気は読めない方だったかもしれませんが、自分の仕事はきっちり、月のノルマは、自分の能力を見据え、的確な時間配分で、必ずこなしておりました。自分の仕事は自分で。誰にも迷惑をかけたことはありません。

そのことに気がついてくれていない上司は、余裕があるのかと、さらに仕事を積み、ペースを乱され、パフォーマンスが落ちたりすることがあり、かなりの負担でしたが、理解が深い、出来る上司は、私のその特性を見抜き、のびのびと仕事をさせてくれました。

これが、マイペースを制するということです。

発達障害グレーゾーンの子を育てるうえでは、自分の特性や実力を把握することももちろんですが、その出来る上司のように、我が子の特性を見抜き、的確な目標を立て、のびのびと課題に取り組める環境を提供する必要があるのです。

自分をよく知る必要があります。それだけではなく、我が子のことも、よく知る必要があるのです。自分と我が子の特性や実力を把握し、時間配分や、やるべきことに対する計算をきっちりこなすことが、マイペースを生かし、自分流の育児を成功させる秘訣です。

自分の母としての能力、我が子の能力を過大評価してはいけません。もちろん、過小評価もだめです。

等身大で向き合うことが大切なのです。

4.自分をプロデュースする

自分がどんな能力に長けていて、どのような手順を踏めば、子どもの気持ちを盛り上げる事ができるのか。育児でつまづく課題も、冷静に自分の出来る事を考え、やってみる。うまくいかないこともあるかもしれませんが、また自分が出来る事を考えて、やってみる。それを繰り返すだけなのです。

そのための時間配分や設定から、いかにして自分のパフォーマンスを最大限に活かせるかなどをうまくプロデュースできてこそ、マイペースを制することになります。

突発的なアクシデントにも、動じることはないのです。

子どもが騒いでしまったとしても、落ち着いて、自分の出来る事をやる。

それを繰り返していくことが、マイペースを生かした育児なのです。

子どもに気持ちをかき乱され、ペースを崩し、子どもにその憤りを訴えても、何も解決なんてしないのです。

いつだって自分をプロデュースするのは、子どもの言動に影響されることなく、自分自身なのです。

5.自分のペースで長期戦にする

臨機応変に人に合わせる事ができるタイプの人であれば、子どもの心を掴み、短期的に問題を解決することも、できるのかもしれません。

でも、自分にもそれを求めてしまい、焦ると、子どものペースに巻き込まれ、思わぬイライラと、言いようのないドロドロした気持ちに沈み込みます。

そうなると、もう命令や恐怖を与えて、自分の思う通りに、自分のペースで、事を運びたいという気持ちでいっぱいになってしまうのです。それは、子どもにいい影響を与えません。

自分が許容できる、子どもの要求にできるだけ小さく応えながら、自分の心のペースは守るのです。そうしながら、時間を掛けて、関わっていくというのが、マイペースを生かす育児です。

焦る必要はないのです。時間はたっぷりあります。

“長期戦でいく”という選択が、一番の近道です。

6.落ち着いている自分をキープする

マイペースな人の印象というのは、穏やかでのんびりした、一緒にいるとホッとするというものが、多いのではないでしょうか?

「マイペースが私の長所です。」と言っている私も、「怒っているところが想像できない。」や「穏やかだよねー。癒される。」と言われることが、多いです。

ペースが乱されなければ、冷静で落ち着いた対応ができます。

現状をみつめ、「どうすればいいのか」という判断を冷静に行えるのです。感情を高ぶらせることもないので、一緒にいるとホッとする存在になるでしょう。

母親として、安心感を子どもに与える事は、とても重要な事です。

どんなときも、落ち着いて、優しく口調で、ゆっくりと話すでいいのです。

そんな落ち着いた穏やかな、一緒にいるとホッとするという、母親でいいのです。

7.自信を持ち堂々とする

人から様々な意見を浴びせられたとしても、自分の意見には確固たる自信を持ち、全く揺らぐ必要はないのです。

みんな色々な意見を持っています。色々な視点で、時には軽い情報提供として、時には親身に私たちのことを思って話しをしてくれます。

参考にするのはいいですが、誰かの意見をそのまま自分の意見にしていませんか?

自分に自信を持ってください。そして、その考えに堂々とする。周りの意見に左右されない。マイペースな人の長所です。

8.決断はじっくり考える

マイペースな人というのは、何か大切な決断をするとき、かなり時間がかかるというのを聞いたことがあります。

それは、私も身を持って感じております。

この33年間。さまざまな決断をして参りましたが、どれも、煮詰めて煮詰めて、かき回して、ゆっくり吟味して決めてまいりました。そうして、出した決断というので、後悔しているものはひとつもないのです。

でも、焦り、急かされ、考えずに決断したことは・・・今でもとても悔いております。

その決断へのマイペース。私はこのペースこそ崩してはいけないものだと、感じております。

しっかり正しい知識をかき集め、よく比較、吟味し、いろいろな人の意見に耳を傾け、参考にして、自分の育児の方向性を決めていかなければなりません。

児童精神科の先生、臨床心理士の先生、保育士さん、保健士さん、幼稚園の先生、小学校の先生、両親、義理の両親、夫、ママ友達、学生時代の友達。近所の先輩ママ。ネットの情報。本の情報。

たくさんの情報を集めたとしても、誰にもその大切な決断を任せる事なんてできないのです。一番傍で、責任を持って子どもを育てていくのは、あなたなのですから。

納得がいくまで、徹底的に充分に時間を掛けて考え、決断していく。これしかありません。

9.世話焼き・干渉は最低限

マイペースな人は、「人」と「自分」を分けて考えているので、世話を焼くのが苦手なのです。相手の事を勘ぐって干渉するのも、本来はしない主義。

でも、育児はそういうわけには、いかないんです。

子どもとは世話を焼き慈しむもの。子どもの事を思い干渉しない親は少ないでしょう。

でも、苦手なものは苦手なんです。干渉だって慣れてないのにするもんだから、余計なものも多く、要するに、下手なんです。

それならいっそ、「世話焼き・干渉は最低限。」と、決め、接した方がよっぽど、子どもにとってのびのびできる環境になるのではないでしょうか?

母親はみんな世話焼きで、干渉屋さんである必要はないのです。

その代わり、「スキンシップや、やってほしいことをやってほしいだけやってあげること。」これに集中して関わってあげた方が、ずっと有意義な親子の時間を過ごせるのかもしれません。

10.興味のあることをやる

マイペースな人は、興味があることには積極的に取り組むことができる一方、そうでないことには関わるには、ひどく労力を要します。

“子どもに興味を持つ”ということを、意識してやっております。

この子はどういう子なのかな・・・。何を考えているのかな?何が得意で何が苦手?何が好きで何が嫌い?そういう風に考えるんだ。面白い。踊った。かわいい。こんなことできるようになったんだね。

今は子育ての中で、とても大切な期間です。

子ども以外のものに、興味を持ってしまうと、そのマイペースをコントロールする自信がありません。

子育ての期間は、何とも短いものです。最近では1年1年があっという間で、大きくなってきているhidakaに、頼もしく思う気持ちもありますが、少し寂しい気持ちも湧いたりしております。

一度にたくさんのことを同時には夢中になれないのです。器用ではないということを知って、何よりも子どもに興味を持つ事が、今は大切と感じます。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

発達障害グレーゾーンの子を持つ親もまた、自分のマイペースな性格に悩まされている人も、少なからずいるのではないかと思うのです。

マイペースな人の冷静沈着でぶれない性格に注目していけば、育児においても、これ以上心強い母としての存在はないのではないかと思います。

その為には、マイペースを制する事。

マイペースである自分を母親としてダメとするのではなく、マイペースを長所として、生かす工夫が必要なのではないかと思います。

そうして、毎日を心穏やかに、子どもと夫と家族で楽しく過ごしていきましょう。

同様なお悩みをお持ちの方の、何かのヒントになれば幸いです。

 

お読みいただきありがとうございました。

 

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